大型トラックの運転手には大型免許がマスト!取得方法や役立つその他の資格を解説!

    トラックドライバーになるためには、運転するトラックのサイズに合った運転免許が必要で、 大型トラックの運転には大型免許が必須となります。大型免許を取得すると、さまざまなメリットが得られ、トラックドライバーとしてより安定した仕事を確保できるでしょう。

    この記事では、大型免許の取得方法やトラックドライバーとして働くうえで役立つ資格について紹介します。

    大型トラックの運転には大型免許が必要

    大型トラックなど大型自動車の運転には、大型免許が必要となります。大型自動車とは車両総重量が11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上のものを指し、具体的にはバス、トラック、ダンプカー、タンクローリーなどがあります。

    大型トラックの実際の大きさは、高速道路、港湾や倉庫が立ち並ぶエリアなどを走っている大きなトラックをイメージするとわかりやすいでしょう。なお、中型免許で乗れる自動車の規格は、車両総重量が7.5t以上、最大積載量が4.5t以上となっています。

    大型免許で中型・準中型なども運転できる

    大型免許を取得するメリットの 一つが、大型免許があれば中型や準中型に属する自動車も運転できることです。トラックドライバーであれば、すべてのトラックが運転できるということになり、職場で重宝されるでしょう。

    ただし、たとえば観光バスや路線バスなどの運転手になりたい場合は、大型自動車第二種免許が必要となります。この免許は、営業用で旅客を乗せて運行する大型自動車の運転に必要な資格です。

    また、ホイールローダーやブルドーザーなどの大型特殊自動車を運転する際には大型特殊免許、車だけでなくトレーラーをけん引する際にはけん引免許も必要です。特に、けん引免許はトラックドライバーにとっては大型免許と同じく持っておくと活用できる資格です。

    二輪車はすべて運転できるわけではありませんが、原動機付自転車と小型特殊自動車は大型免許でも運転できます。

    大型免許は食いっぱぐれなし!運転免許の最上位資格

    大型免許を取得すると仕事の幅が広がり、今後生活に困るという可能性が大幅に低下することでしょう。大型免許保有ドライバーは不足しているので、就業に困ることはほとんどありません。2020年に日本自動車工業会が行った「普通トラック市場動向調査」によれば、運輸業(事業所全体)の3割弱がドライバー不足と感じ、特に大型免許での不足率が高いとの調査結果が出ています。*1

    大型免許保有ドライバーが不足している原因の一つに、2007年に行われた大型免許取得に関わる道路交通法改正が挙げられます。この改正では大型免許取得時の教習に大型用教習車の導入に加え、路上試験と路上練習の実施が追加され、大型免許の取得難易度が大幅に上昇しました。これにより合格者が減少し、結果として大型トラックドライバー不足に拍車がかかったといわれています。

    大型免許は給料もぐんと跳ね上がる

    大型免許を保有するメリットとして、給料が上がることも挙げられます。2021年に公益社団法人全日本トラック協会が行った「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」という調査によれば、不特定多数の荷主の荷物を運ぶ特積ドライバー(男性)では、1カ月平均賃金で高い方から大型、けん引、準中型、 普通、中型の順となりました。

    一方、特定の一荷主の荷物のみ運ぶ一般ドライバー(男性・女性)では、けん引、大型、中型、準中型、普通の順番となります。

    大型運転者 と中型運転者の賃金差を見てみると、特積で1カ月平均賃金が93,200 円、年間賞与(ボーナス)含めた1カ月平均賃金が100,000円となり、一般では 1カ月平均賃金が43,200円、年間賞与(ボーナス)含めた1カ月平均賃金差が55,100円でした(ともに男性ドライバーの場合)。*2

    大型免許が取得できる条件とは?

    大型免許は、普通自動車免許や中型免許などの取得にかかる条件と共通する内容も多いため、すでにこれらの免許を取得している人にとっては、イメージしやすいでしょう。

    ただし、大型免許ならではの取得条件も一部あります。ここでは、その条件について解説します。

    19歳以上で普通免許の保有歴1年以上が条件

    大型免許は、免許を一切持っていない人がいきなり取れる免許ではありません。普通・準中型・中型・大型特殊免許のいずれかの保有歴が3年以上必要です。また、年齢も21歳以上からという条件になっています。

    ただし、これらの条件は2022年5月13日から緩和されており、「受験資格特例教習」を修了すれば、19歳以上・免許保有歴1年以上で受験することができるようになりました。なお、この緩和は中型免許ならびに二輪免許にも適用されています。*3

    身体条件をクリアすること

    大型免許取得には、いくつかの身体条件もクリアする必要があります。まず、視力は裸眼もしくは眼鏡、コンタクトレンズの使用で両眼0.8以上、片眼0.5以上が求められます。また、距離測定も行われ、三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により、2.5メートルの距離で3回検査し、誤差の平均が2センチメートル以下でなければなりません。そして、信号機の色(赤・青・黄)が識別できることも条件の一つです。

    聴力については、10メートルの距離で90dBの警報機の音が聞こえることが条件で、補聴器を使用しても構いません。その他に運転に支障をきたすような身体障害がなければ、取得資格を得られます。

    大型免許取得の流れ

    すでに普通免許や中型免許を保有している人にとっては、大型免許の取得の流れは共通する部分もあるため、なんとなくのイメージはつかみやすいでしょう。大型免許の取得も、大きく分けて2つの方法が挙げられます。ここでは、大型免許取得の流れや方法などについて紹介します。

    一発試験(免許センターに自分で行く)

    各都道府県の免許センターに直接赴き、試験を受けることを「一発試験」といいます。一発試験は、教習所の費用がかからないことが最大のメリットですが、先述した2007年の道路交通法改正により取得までのステップが複雑化したため、受験者は激減しています。

    現在一発試験で大型免許を取得する場合、本試験を受ける前に仮免許取得のための試験を受けなければなりません。これに合格して、仮免許証を受領し、路上での練習を最低5日間行う必要があります。

    路上練習では、練習する自動車の助手席に、その自動車を運転することができる免許を保有し、期間が通算して3年以上(停止期間は除く)の人か、その自動車を運転することができる第二種免許を受けている人を同乗させなければならないという条件もあります。

    ここまでクリアしてようやく本試験に臨めますが、本試験の合格率は非常に低く、合格まで何度も受ける人も少なくありません。試験を受けるたびに受験費用がかかってしまうので、よほど自信がある人以外は、教習所での取得を検討したほうがよいでしょう。

    教習所や合宿で取得

    普通免許と同じく、教習所や免許合宿での取得は、もっともメジャーな方法として浸透しています。費用は一発試験よりもかかってしまいますが、取得までの期間に余裕があり、しっかりと運転技術や知識を身につけたいという人は、教習所に通う方法が適しているでしょう。

    また、まとまった時間が取れて、短期間で取得したいという人は、合宿での取得がおすすめです。

    保有免許によって教習時限数が変わる

    大型免許取得にかかる金額や教習の時限数は、すでに保有している免許によって変動します。以下に、一覧を記載しますので参考にしてください。

    所有免許技能講習数学科教習数
     第一段階第二段階合計
    普通限定なし1218301
    AT限定161834
    準中型限定なし1013230
    5トン限定1115261
    AT5トン限定1515301
    中型限定なし59140
    8トン限定812200
    AT8トン限定1212240
    大型特殊限定なし1827454
    普通二種限定なし1214260
    AT限定1614300
    中型二種限定なし59140
    8トン限定812200
    AT8トン限定1212240

    取得までの流れ

    大型免許第一種の場合は、まず教習所内で技能教習を受け、すべて終了すれば第一段階の修了検定を受けて合格すれば仮免許証が発行されます。

    第二段階では、路上教習も追加され、これらも終了すれば卒業検定です。これに合格すると教習所は無事卒業となり、免許センターにて学科試験、適性検査を受けてこれらにも合格することで晴れて大型免許取得となります。

    大型免許取得はいくらかかる?

    大型免許取得にかかる費用は一発試験か教習所、合宿で取得するかでも異なり、教習所や合宿先ごと費用にばらつきがあります。一発試験の場合は、3万650円(受験料4,100円・試験車使用料2,500円・免許証交付料2,050円の合計8,650円に加え、別途取得時講習受講料2万2,000円が必要)となっています。(2022年12月現在)*4

    教習所の場合、すでに保有している免許で費用が細分化されていることがほとんどで、普通免許所持ではおおよそ30〜35万円です。ただし、普通免許をAT限定で取得していたら、限定解除が別途必要になるため、その分の費用が加算されます。

    大型免許取得費用を抑えるには?

    決して安い金額ではない大型免許取得費用を、少しでも抑えたいと考える人は多いでしょう。その際に、一発試験で取得することを検討することもあるかもしれません。一発試験は、確かに教習所や合宿での取得に比べると、費用自体は安く済みます。しかし、路上練習を行うための大型車や同乗者を自分で手配しなければならず、ハードルが高いことがネックです。

    また、本試験の合格率も非常に低いため、結果的に何度も受験しその都度試験料を支払うことになることも珍しくないのが実情です。これらのことを鑑みても、特別な事情がない限り一発試験とすることで費用を抑えるのはあまり現実的ではありません。

    教育訓練給付制度を活用する

    厚生労働省が行っている施策の中に、「教育訓練給付制度」というものがあります。これは、再就職・転職・在職中の人が、資格試験のためにかかった各種費用に対し一部助成が受けられるというものです。対象となる資格は多岐にわたり、大型免許も含まれています。

    大型免許の場合は、費用のうち40%(上限20万円)が助成されます。一部でも助成されるのであれば助かると感じる人も多いでしょう。ぜひ活用してみてください。*5

    就職してから人材開発支援助成金で取得する

    就職してからでも、業務で必要な際は助成金をもらって大型免許取得をすることができます。このケースでは、国土交通省が行っている「人材開発支援助成金」を活用することで、かかった費用に対し助成を受けることが可能です。

    ただし、これは企業向けの助成金です。就職後に大型免許取得の話が出た際には、職場がこの助成金を受ける体制が整っているかを確認しておくとよいでしょう。

    大型免許取得の補助制度のある会社に就職

    トラックドライバーに興味があっても未経験なうえ大型免許がなく、果たして就職・転職できるのか不安に思う人もいるでしょう。そのような状況の人は、未経験者歓迎かつ大型免許取得に対し補助制度が整っている企業に応募するのがおすすめです。

    こうした補助制度は、企業によって内容は異なります。取得にかかる費用を全額会社負担にするものや、合格したら祝い金をいくらか支給するものなどさまざまなものがあるので求人応募の際に確認するとよいでしょう。

    トラックドライバーが取得しておくと役立つ資格

    トラックドライバーは、大型免許のほかにも、取得しておくとなにかと役に立つ資格がいくつかあります。それぞれ、難易度は異なりますが、さらに必要とされる人材になるためにはぜひともチャレンジしてみましょう。ここでは、それらの資格について紹介します。

    荷物の運搬に役立つ「フォークリフト免許」

    フォークリフト免許の取得方法には、特別教育と技能講習の2種類があります。特別教育は、最大荷重1t未満のフォークリフトを運転する際に必要となり、制限がある分受講時間は短いです。技能講習は、最大荷重の制限なくフォークリフトの運転が可能となる分、学科試験や実技試験が必須です。

    トラックドライバーの業務では、荷物の積み降ろしの際にフォークリフトを用いることがあり、荷物が1t以上になることもありえます。トラックドライバーとしてフォークリフトの資格を保有するなら、技能講習を受け修了証を得ましょう。

    化学薬品なども運べる「危険物取扱者」

    危険物取扱者の資格は、すべての危険物を取り扱える「甲種」のほか、危険物を6つに分類しそれぞれ合格することで取り扱い・立ち合いができる「乙種」、乙種第4類危険物(ガソリンや灯油など)のうち指定された危険物に限って取り扱いのみできる「丙種」があります。この内、乙種4類は通称「乙4」とも呼ばれ、比較的メジャーな資格です。

    トラックドライバーに乙種4類の所持を求める企業は多く見られます。その理由は、エタノールや軽油など、ガソリン以外の引火性液体を扱えることで、その運搬が可能となるからです。また、無資格者への立ち会いもできるので、広く役立つ資格といえるでしょう。

    クレーン作業などで必要「玉掛作業者資格」

    重量物の運搬には、クレーンを用いることもよくあります。またクレーン付きのトラック(いわゆるユニック車)も多く、就職したら運転する機会もあるかもしれません。クレーンを使用する際は、ワイヤーやロープを荷物にくくりつけクレーンのフックに引っかけて吊り下げる必要があります。この作業を行うには玉掛作業者の資格が必須です。

    玉掛作業者は、満18歳以上であれば誰でも受験可能なため、取得しやすい資格の一つです。また、クレーン本体を操縦する際にはクレーン運転士の資格が必要で、合わせて保有しておくと、より資格を活用しやすくなるでしょう。

    トレーラー運転に必要「けん引免許」

    けん引免許は、車両総重量750kgを超えるトレーラーやボートなどをけん引する際に必要となる免許です。とくに、大型のトラックドライバーにとってはトレーラーに荷台を乗せ運行できるため、持っていると有利な資格といえます。

     受験するためには普通免許、中型免許などの自動車運転免許を一つ以上保有しておく必要があるため、自動車免許より先にけん引免許を取ることはできません。

    未経験から挑戦できる大型免許

    大型免許は、取得するのにいくつかの条件はありますが、教習所や自動車学校できちんと学べば十分に合格が狙える免許です。人材不足がなかなか改善しない運輸業の中で、大型免許を持つドライバーの需要は年々高まっています。

    未経験かつ大型免許をまだ保有していない人は、補助制度がある企業に応募してみてはいかがでしょうか。そして、大型免許取得後に玉掛作業者資格やけん引免許などの資格を取れば、さらに活躍できる場が広がります。トラックドライバーに興味がある人は、ぜひ挑戦してみましょう。

    文責 働きやすい職場のミカタ編集部

    *1 出典)日本自動車工業会「普通トラック市場動向調査」P46 図7-3

    https://www.jama.or.jp/release/docs/release/2021/20210419_2020Trucks.pdf

    *2出典)公益社団法人全日本トラック協会「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」

    https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/chingin2021bassui.pdf

    *3出典)警視庁「令和4年5月13日施行改正道路交通法について」

    https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/kaisei.html

    *4出典)大型免許試験(直接試験場で受験される方) 警視庁

    https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/annai/ogata/tetsuzuki09.html

    *5出典)厚生労働省「教育訓練給付制度」

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html