住み込みで働く仕事のメリット・デメリットは?令和の寮事情

    生活費を節約したい場合や地方から上京して働く場合など、住み込みの仕事に興味を持つ方もいるのではないでしょうか。社員寮は「汚くてわずらわしいルールが多い」というイメージを持たれがちですが、近年の寮事情は変化してきています。この記事では、住み込みの仕事の種類や近年の寮事情について解説するので、参考にしてください。

    今どきの社員寮ってどう?

    社員寮とは、企業が福利厚生の一環として社員向けに提供している住居施設のことです。これまでの社員寮は、安く住める代わりに「築年数が古くて汚い」「人間関係が面倒くさい」など、あまり良いイメージがありませんでした。

    しかし近年では、アパートやマンションを一棟まるごと借り上げたり、社員寮の管理会社と契約して、管理会社が運営している住居施設を利用したりする企業が増えています。こうした動きにより、設備が整った綺麗な社員寮が増えているのも特徴です。

    社員寮には「入社から○年目までの単身者のみ利用可能」などの制限が設けられている場合もありますが、10~20年以上住み続けられる場合もあります。

    寮完備の仕事の種類

    「寮が完備されている仕事」と一口に言っても、その種類は様々です。ここでは、寮完備の仕事の種類を紹介します。

    ドライバー

    トラックやバス、タクシーのドライバーは、夜勤が発生することがあるため、終電の心配がないよう会社近くに寮を完備している企業が多くあります。

    ドライバーの主な仕事は、人や物を目的地まで運ぶことです。経験や資格がなくても、運転免許さえあれば安定した収入や各種手当を受けられるといったメリットがあり、様々な年代の人が勤務しています。

    ほとんどの時間は1人で運転しているため、他人とコミュニケーションを取る機会が少なく、精神的ストレスが少ないことも特徴の1つです。

    旅館・ホテルスタッフ

    旅館やホテルスタッフは、繁忙期に短期で募集しているケースが増えています。旅館やホテルの一室、勤務先近くの併設住居を貸してもらえるところが多いようです。観光客が多く、実際に住んでいる人が少ないリゾート地であっても遠方に住む人が勤務できるようになっています。

    フロントや仲居、清掃などが主な仕事である旅館やホテルスタッフは、礼儀作法に厳しい部分があります。お客様とコミュニケーションを取る機会が多いことから、気疲れしてしまうこともあるかもしれません。ただし、勤務地に温泉や大浴場がついていれば、無料で入れる場合があるなど、メリットもたくさんあります。

    介護士・看護師

    介護士と看護師は、どちらも夜勤があるため、社員寮や借り上げ社宅などの寮が付いていることが比較的多い仕事です。

    介護士は、高齢者向け施設や老人ホームなどで、要介護者の食事や排泄、入浴のサポートなどを行う仕事です。看護師の仕事は、医師のサポートや患者さんの身の回りのお世話、血圧や体温の記録、注射など一部の医療行為を行います。

    要介護者や患者さんのサポートがメインとなる介護士と看護師は、接し方を工夫することで感謝される機会が多い仕事です。

    工場スタッフ

    工場で期間を限定して雇用される契約社員は「期間工」と呼ばれ、シフト制で夜勤が発生することもあるので、寮付きの求人が多い傾向にあります。勤務先は自動車工場や電子部品工場などで、社員寮の一室を貸してもらえることが多いです。

    人とのコミュニケーションが少なく、自分のペースで黙々と作業ができるといったメリットがありますが、自動車の部品や電子部品などを扱うため、製造作業には専門のスキルや経験が必要なこともあります。

    農業・牧場

    農業や牧場の仕事は、どちらも朝早くから作業が始まるため、住み込みで働いた方が通勤時間を短縮できます。そのため、社員寮を一室支給されることが多くなっています。

    農業では、野菜やフルーツの栽培・収穫、畑を耕すといった仕事があります。牧場での仕事は、動物たちの餌やりや糞の処理、飼育小屋の清掃などです。

    どちらの仕事も、大自然に囲まれながら植物や動物たちと触れ合ったり、自分で育てた野菜や卵を新鮮な状態で食べられたりすることも魅力です。ただし、畑を耕したり動物たちの餌を運んだりするのは重労働となるため、体力が必要な仕事となります。

    土木・建築

    工事現場で働く土木・建設スタッフも、社員寮や借り上げ社宅、臨時施設などの住み込み先を提供される求人が多くあります。

    道路やダム、ビル、橋、河川などの様々な工事現場で、重機を運転したり重たい資材を運んだりするため、体力が必要な仕事です。何よりの魅力は、自分が作ったものが目に見えてわかるため、達成感を得やすい点にあります。

    住み込みをする場所は?

    ここでは、住み込みをする場所の種類についてそれぞれの特徴を解説します。

    社員寮

    会社が所有している従業員用の居住施設を、社員寮と呼びます。会社によっては、家具・家電が備え付けの物件や、食事が付いている物件もあります。

    入居する場合には毎月一定額の家賃を支払う必要がありますが、近隣物件の家賃よりも安いことがほとんどです。

    社員寮には、「独身寮」「単身赴任寮」「社有社宅」の3種類があります。独身寮は未婚者向けで、年齢制限が設けられているのが一般的です。単身赴任者向けの寮は、単身赴任寮と呼ばれます。家族を持つ社員を対象としているのが社有社宅で、部屋が複数ある戸建てやマンションが用意されます。

    借り上げ社宅

    会社が賃貸借契約しているアパートやマンションが、借り上げ社宅です。家賃の全額もしくは一部を会社で負担してくれるため、家賃負担が少ないことが魅力です。

    借り上げ社宅では、会社がアパートやマンションを一棟丸ごと賃借し、各部屋を従業員に貸し出しているケースと、従業員が物件を探して会社名義で借りる「家賃補助」に近いケースがあります。

    借り上げ社宅は、家賃を会社が負担してくれる以外、通常のアパートやマンションに住むのと変わりません。社宅の広さや間取りは、入居する従業員が独身なのか既婚なのかによって異なりますが、どちらの場合でも家具や家電は入居者が揃える必要があります。

    併設住居

    併設住居とは、勤務先に併設されている居住スペースのことで、勤務先の敷地内に住居があります。旅館やホテル、介護系施設などの仕事で採用されるケースが増えており、通勤時間がほぼ必要ありません。

    家具・家電が備え付けとなっているケースも多く、生活環境がすでに整っています。

    寮生活だからこそ味わえるメリット・楽しみ

    不安を感じがちな寮生活ですが、実はメリットや楽しみがたくさんあることをご存じでしょうか。ここからは、寮生活だからこそ味わえるメリットや楽しみについて紹介します。

    家賃を抑えられる

    寮に住む最大のメリットは、家賃を抑えられる点にあります。会社ごとに規定は異なりますが、家賃が無料もしくはかなり安価に抑えられているケースが多いです。

    また、入居時にかかった引っ越し代などの初期費用を、会社が負担してくれるところもあります。そのため、引越し代などのまとまったお金を用意できない場合にも、寮生活はおすすめです。

    光熱費の負担がない場合も

    会社によっては、水道光熱費が家賃にあらかじめ含まれているところもあります。また、近年はWi-Fiを完備している社員寮が増加傾向にあり、プロバイダー契約をしなくても最初からインターネットを使える環境が整っていることも珍しくありません。

    このインターネット代も、家賃に含まれている場合があります。家賃に加えて水道光熱費やネット代などの固定費も節約できるため、生活費をかなり抑えられるのがメリットです。

    家具家電が備え付け・引越し手続きも簡易的

    単身者向けの社員寮や併設住居では、生活に必要な家具や家電が揃っているところもあります。そのため、新たに一人暮らしを始めたり単身赴任で一人暮らしを始めたりする場合は、生活用品を揃える手間が省けるのがメリットです。

    また、引越し手続きも会社が行なってくれるケースが多いため、不動産屋に通い面倒な手続きをする必要もありません。

    治安が悪化しにくい

    寮には同じ会社の従業員が多く住んでいるため、いい意味でお互いの目がある環境になります。これにより、ゴミ捨てのマナーが悪い、夜間に大声で騒いでいる、などの迷惑行為は発生しづらいでしょう。結果的に治安も悪化しにくい状態となるため、安全面が心配な方にもおすすめです。

    食事提供を行なってくれるところも

    単身者向けの社員寮では、朝夕の食事の提供を行っているところもあり、自炊が苦手でも栄養バランスの取れた食事を低価格で食べられるという大きなメリットが得られます。

    また、寮内に食堂が併設されているため、自分の部屋だけでなく共同スペースで他の人と一緒に食事ができることもメリットです。

    食事提供がある寮では日替わり定食の形式を取っているところが多いため、いろいろなおかずを食べられる楽しみもあります。会社によってはご飯や味噌汁がおかわり自由なところもあり、食欲旺盛の方でも満足できるでしょう。

    ただし、食事代だけは家賃と別で支払うケースが多いです。または、食事の際に社員証を提示し、食べた分だけ給料から天引きとなる仕組みを採用している会社もあります。

    先輩や同僚と仲良くなりやすい

    社員寮では職場の先輩や同僚と同じ屋根の下で生活するため、自然と話す機会が生まれやすいこともメリットの1つです。交流が増えることで仕事環境にも慣れやすく、公私ともに充実した生活を送りやすくなります。

    食堂などの共同スペースがある場合には顔を合わせる機会も増えるため、先輩や同僚との仲を深めやすくなります。単身赴任などで近くに家族や友人がいない場合でも、話し相手が見つかる可能性が高いことが魅力です。

    通勤時間を短縮できる

    社員寮や借り上げ社宅などは、勤務地となる会社の近くにあることも多いため、通勤時間を短縮することができます。これにより、拘束時間が長かったり夜勤があったりする仕事でも、睡眠時間を確保しやすく体調管理がしやすくなっています。通勤時間が短縮できることは、特に朝早起きするのが苦手な方には大きなメリットです。

    寮生活のデメリット・面倒な点

    メリットがたくさんある一方で、寮生活ならではのデメリットもいくつか存在します。ここでは、寮生活でのデメリットや面倒な点を紹介します。

    プライベートな時間に先輩・同僚と顔を合わせる可能性がある

    寮生活では、休日などのプライベートな時間帯でも、職場の人と顔を合わせることは珍しくありません。特に食堂やトイレ、ランドリースペースが共同の場合には、顔を合わせる頻度が高くなります。

    近年はお風呂やトイレ、ランドリースペースが共同の寮は減ってきていますが、それでも外出する際に職場の人と顔を合わせてしまう日はあるでしょう。そのため、神経質な方は、気が抜けないように感じてしまうかもしれません。

    寮ごとにルールがある

    寮には、それぞれにルールが制定されています。ごみの分別ルールや、夜間に静かにすることは多くの寮で規定されていて、これを守って生活しなければなりません。

    とは言え、門限などを設けるところはほとんどなく、居住者が快適に生活するための必要最低限のルールのみ採用されているケースがほとんどです。

    一昔前は、曜日ごとに掃除当番などが決まっている寮もありましたが、近年ではこうしたルールもほとんどありません。ただし、食堂や共同風呂は営業時間が決まっていることがほとんどなので、営業時間内の利用を心がけることで規則正しい生活ができる一方で、自分のペースで食事や入浴の時間を決められない点はデメリットとなります。

    汚い寮もある?きれいな寮の見分け方

    社員寮と聞くと「築年数が古くて汚い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。近年は古くて汚い寮が減ってきてはいますが、完全にゼロとは言えません。ここでは、古くて汚い寮に当たらないために、きれいな寮を見分ける方法を解説します。

    築年数を事前に確認する

    築年数が30年を越えている寮は、部屋の壁が経年劣化していたり、昔ながらの畳の部屋だったりするケースがあるので注意が必要です。そのため、基本的には求人票に「築年数が浅い寮」と記載のあるところを選ぶと良いでしょう。

    築10年以下の寮を選ぶのがおすすめですが、記載がない場合は応募する前に電話などで問い合わせておくと安心です。

    管理人がいるかどうか確認する

    管理人がいる社員寮は、清潔なケースが多くなっています。管理人が、共同トイレやキッチンなどを定期的に清掃し、備品の管理をしてくれているためです。共同スペースがなく個室完備の会社でも、管理人がいれば入居前に清掃をしてくれるところもあります。

    管理人のいない社員寮だと、清潔度合いは住んでいる人の性格により異なります。場合によっては、共同スペースが清潔さに欠けることもあるので注意が必要です。

    寮の情報が詳細に記載されている求人を探す

    求人に社員寮の写真がたくさん載っている場合や、社員寮に関する説明が詳細に記載されている場合は、設備が充実しており清潔な寮の可能性が高いです。

    社員寮の外観や共同スペース、個室の写真をしっかり載せている求人や、Wi-Fi完備、築年数、ウォシュレット付きトイレ完備などの詳細が記してあれば安心です。

    一方で、寮の写真が1枚のみで画質が悪く、設備などの詳細がほとんど記載されていない求人は、築年数が古く設備が充実していない可能性があります。

    田舎の寮は虫に要注意

    建築・土木系や農業・牧場系などの仕事では、自然が多い分虫も多い可能性があるため、寮選びには要注意です。自然が多い勤務地や田舎の勤務地では、虫が出ないほうが珍しいでしょう。

    寮が築浅だったとしても、山奥や林の近くならば、殺虫スプレーなどで退治してもすぐに湧いてしまいます。そのため、虫が苦手な場合は、自然が多い場所や田舎にある寮は避けた方が無難です。

    寮生活は人間関係が難しい?どの程度の気遣いが必要?

    同僚や先輩、後輩との寮生活では、お互いの関係が深まることで仕事がスムーズに進むなどのプラスの面があります。その一方で、同じ屋根の下にいることで「常に気を遣わなければならないのではないか?」と思う方もいるでしょう。

    たしかに寮ではある程度の気遣いは必要ですが、廊下ですれ違った際に挨拶をする、夜間は友人を呼んで大声で騒がない、共同スペースを使った後はきれいに片付ける、などの最低限の礼儀やマナーさえ守れば問題ありません。

    また、社員寮は個室が割り当てられることが多くプライベートな空間はしっかり確保されているため、1日のほとんどの時間を1人で過ごすことも可能です。そのため、常に人に気を遣って疲れるといったことはあまりありません。

    寮生活で異性の存在が気になる場合は、男性専用・女性専用で寮やフロアを分けているところもあるため、探してみると良いでしょう。

    寮生活に向いている人・向いていない人

    生活費を抑えたい人や職場で良好な人間関係を築きたい人は、寮生活に向いています。また、通勤時間をできるだけ短縮したい人にも、寮生活は最適です。

    仕事で落ち込んだときにもすぐに相談できる同僚や先輩がいるため、人と話すことで元気になる人にもぴったりの環境と言えます。

    その一方で、人とのコミュニケーションが苦手な人や、他人といるよりも1人の時間が好きな人、家具や家電にこだわりがある人は寮生活には向いていないかもしれません。

    【まとめ】未経験・資格なしから寮完備の仕事を探すならドライバーがおすすめ!

    寮付きの仕事は、屋外での長時間の立ち仕事や重労働が発生したり、看護師や介護士のように専門資格が必要だったりするケースが多いです。経験や資格、体力に自信のない方で寮付きの仕事がしたい場合には、ドライバーがおすすめです。

    ドライバーならば、未経験でも普通自動車免許さえ持っていれば、働きながら免許取得を支援してくれる会社も増えています。運転好きの方にもぴったりなことはもちろん、自分のペースで働くことができるので、仕事探しに迷ったらドライバーの仕事も検討してみてはいかがでしょうか。

    文責 働きやすい職場のミカタ編集部